日本语が怪レい日本人

À la recherche du futur perdu

本当にアニメは人類と宇宙を繋ぐ最高の文化だ!!イエェェェェェェェイ!!

(ネタバレを含む)
日劇場版SHIROBAKOを見に行った際、ふと違和感を覚えたセリフがある。
『アニメの本数少なくなってきましたよね』
?何を言っているのだろう。アニメは急激に増加の一途をたどっているのに、その逆の現象が起きている世界線なのか?それともただの誤植か?
ただムサニがズタボロになってしまったという演出ならそれでいいが、私はPAWORKSの深いメッセージを額面以上に受け取った。

アニメを取り巻く環境の前史

アニメの本数は少なくとも2010年代前半から急激に増加しつつある。今ざっと数えたが、いろいろなものを含めると50本。素人目に見ても異様な数だ。
令和の新時代を生きる我々からすれば日本にオタク文化が誕生し、それが人口に膾炙してから久しい。アニメを見ていてもキモいなどと呼ばれたり(言われるかもしれないが)後ろ指さされたりなどはあまり見かけなくなった。
オタクたちの生活の中枢にあるのがアニメである。オタク=アニメというのはオタクの多様性を否定するようで好まれないが、ぶっちゃけ一般人からするとそういう認識である。
オタク趣味に対して人々が寛容になってきたのはこれも2010年代前半だといえる。つまりアニメ本数の爆発的増加にはオタク文化の台頭と一般化が確実に寄与している。いわゆる需要と供給というやつである。

オタク趣味の多角化とアニメの崩壊

スマホ社会となった今、ソーシャルゲームVtuberなどひとくちにオタクと言っても多種多様なコンテンツがまさに群雄割拠状態でしのぎを削っている。
今となってはアニメを中心に回っていたオタク文化が完全に崩壊し、アニメコンテンツは緩やかに衰退しはじめている。
そこで本題である。アニメが制作されなくなる未来はもしかしてすぐそこにあるのでは?
アニメの生命線とも言ってよい円盤の売り上げは、控えめに言って悲惨かつ絶望的である。
アニメを制作するには莫大なお金がかかる。一昔前は気前よく投資し、ある程度の利益が見込めるプロジェクトであった。だが今はどうか。いくらインターネット配信や物販など収入の方法が増えたとしても、アニメ収入の維管束は円盤収益である。同人誌の部数のような売上では確実に利益が見込めない。回収できる見込みがないのだから融資も止まる。金がなければアニメは動かない。完全に負のサイクルに浸かり始めているコンテンツ、それがアニメーションだ。
そこに追い打ちをかけるのが、オタク文化多角化だ。今期はどれが覇権かなどで盛り上がったが、今はそれすら聞こえない。みんなアニメを見ていないのだ。
SHIROBAKOは我々に警鐘を鳴らす。
その思いが『アニメ本数の減少』というセリフに込められている気がする。
いつまでもあると思うなアニメでも。
そんなアニメ業界を救うために、まずはSHIROBAKOを見に行こう!