日本语が怪レい日本人

À la recherche du futur perdu

コロナウイルスのせいで万策尽きかけてる劇場版アニメの感想

外出自粛ムードのさなか、2月29日の今日劇場版SHIROBAKOが封切りとなった。
感想は非常に素晴らしいの一言に尽きるが、その内容を含めて振り返っていきたい。
が、この記事(見てる人いないけど)で満足して映画館に行かない人が出てくるかもしれないのでネタバレなしでまとめていきたい。

水島努監督の新たな挑戦

監督の新しい挑戦が随所に見られた。ネットでは賛否両論だが、まぁ面白い取り組みだと思った。最近の流行なのかなあれは。アニメに合うかどうかは別。音響がいい映画館に行ったほうがいいと思う。

演出

なんか毎回劇場アニメの話で演出の話をしているような気がする。ベタというかほかのスタジオに刺激を受けているな(影響されてるな)と露骨に感じるような演出だった。光の使い方、背景描写を駆使し、2時間という尺の中で表現しきれない登場人物たちの心情を表現するという意味では素晴らしい。欲を言えばその心情や背景描写をもっとケアしてほしかった。

ストーリー・構成

落としてだんだん上げてまた落とすジェットコースターのような絶望感を味わう序盤から苦しみの中盤、最後に一山あってからのラストはTVシリーズにはない、SHIROBAKOが劇場作品として成立していて素晴らしかった。
壮絶な状況の中劇場作品を請け負うことになった武蔵野アニメーション限界集落過疎娘もといサクラクエストが大爆死に終わったP.A.Worksが重なり、まさに劇場でしか表現できないメタファーはさすがだった。特にラストがそう、水島努やるなぁ。

堀川は「今の僕らの姿がそのまま投影されたシナリオになっています」とコメント

劇中、みゃーもりを説教臭く感じることがあるかもしれないが、とにかく諦めないみゃーもりとそれに触発される周囲の人々を濃厚に描く、諦めない、それがPAWorksが今直面している修羅場であり、立ち向かっている姿に思えた。
花咲くいろはから始まったお仕事シリーズに共通するのは、泥臭く努力を重ね成長していくストーリーである。
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どんな逆境にいても諦めない。そんな映画のストーリーは全く脚光を浴びなかったサクラクエストの悔しさを歯を食いしばって耐えるPAWorksのみならず、円盤とか京アニとか今苦境に立たされているアニメ業界全体へのメッセージだと思う。
冴えカノで夢を見させていただき、SHIROBAKOで奈落の底に突き落とされ「俺も現実見よう」な気持ちになった。2020年は現実と向き合う年になりそうだ。
あと矢野ちゃんが何年たっても神々しかった。矢野ちゃん主演のアニメを見たい。矢野ちゃん最高。

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