日本语が怪レい日本人

À la recherche du futur perdu

空気と夢を運ぶSトレイン―STRAIN乗車記

S TRAINは、横浜高速鉄道東急線東京メトロ西武鉄道と4会社の共同運行で運行されている全車指定の有料列車である。
STRAINがネットの笑いものにされている理由は往々にして利用客の少なさである。

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今回乗車したのはS TRAIN1号西武秩父ゆき
始発は中華街だが、基本的に乗客が利用するのは横浜駅からである。


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周囲の目を気にせずに写真を撮れるほどガラガラの社内。
土曜の観光客向け便だと思うが、各車両半分以上の空席が残る。



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指定券は1060円。

S TRAINの何かいけなかったか

本数の少なさ

現状STRAINは土日祝の便で見ると

  • 朝の横浜→秩父1便(横浜から観光客用)
  • 夕の秩父→横浜1便(横浜から観光客用)
  • 朝の飯能→横浜1便(飯能から観光客用)
  • 夕の横浜→秩父2便(秩父から観光客用)

の5便で運行している。
少ない。

差別化が弱い

私鉄各線の相互乗り入れが当たり前となった現在、鉄道会社を3社以上を跨いで直通運転する列車も珍しくない。
実際東急が埼玉方面に向かう列車も何便か設定がある。
STRAINの利点は座席に確実に座れることと、30分ほど到着が早いことである。正直そこに1060円の付加価値を感じない。

知名度が低い

鉄道オタクの間では悪い意味で知名度が抜群だが、一般人からすれば、「通勤のときに見る乗れない列車」ぐらいの認識だろう。

西武特急といえば土屋太鳳を起用した新型車両のCMが放映されているが、STRAINはCM制作すらされていない。
西武のSTRAINに対する力の入れ方が如実に現れてしまっている。

座席が硬い

これは声を大にして言いたい。
普通列車としても運用されている車両のため、リクライニングはできないし、座席も硬い。
Laviewのようにバカでかい窓は要らないが、せめてリクライニングだけはほしいところである。

STRAINはそんなにダメか

今まで散々暴言を吐いてきたSTRAINだが、メリットもある
車内はそもそも人が居ないため快適である。
ネットからであれば座席の場所を指定できる。
乗客が固まっていない車両後方を選べば、対人恐怖症のオタクも極楽である。
更に、終点は西武秩父のため、横浜方面からの聖地巡礼の手段としてはそこそこおすすめできる。
こういったニッチな乗客が、西武にとってメインターゲットなのかと疑問に思わなくはない。

元来水と油の関係であった東急と西武が手を組んで走らせたSTRAIN。
群雄割拠の私鉄の中で、STRAINという企業努力の塊を会社も、我々利用客も無駄にしてはならない。

列車は2時間ちょいをかけて西武秩父に到着。ここからはあの花聖地巡礼に向かう。